■内容証明を送る時の注意点


トラブルを解消する手段として、また、裁判時の有力な証拠として効果の期待できる内容証明郵便ですが、万能ではありません。具体的には、以下のような点に注意します。


①送っただけで問題が癖決するとは限らない
内容証明郵便で文書を送るには、手間もかかりますし、多少の費用もかかります。文書の形式もある程度決まっていますし、「2週間以内に支払いがない場合は、訴訟を提起することになります」などのように、法的な対応をする旨を記載することもあります。その形式はかなり厳格で、内容も強い意思を表すものですので、相手方は心理的な圧迫を感じ、請求に応じることも多くあります。しかし、内容証明郵便を送っただけでは、相手を強制的にしたがわせるような効力はありません。たとえば、会社から不当な処遇を受けた従業員は、抗議書を内容証明郵便で送って意思を伝えますが、相手が何も反応してこない場合には法的手段も含め、次の行動を検討しなければなりません。
②取消しがきかない
どのような郵便物でもそうですが、文書が一度相手に渡ってしまうと、撤回したり取り戻したりするのは非常に難しくなります。内容証明郵便の場合、このことが大きな問題になることがあります。たとえば、請求書の金額を少なく書く、相手の支払期限を本来よりも長く書く、相手や自分の住所・氏名を間違えて書くなど、差出人が自分に不利な書き間違いをした文書を送付したとします。いったん届いてしまった文書は受取人が自由に使うことができますから、書き間違いが受取人にとって有利なら、それをタテになんらかの要求をしてきたり、訴訟を起こすといったことをするかもしれません。このとき、文書を内容証明郵便で送っていると、その文書は有力な証拠としての効力を持ちますので、場合によっては書き間違いの内容がそのまま裁判で認められてしまう可能性があるのです。また、議員などの不正を追及する場合には、証拠固めをしっかりとしたうえで、内容証明郵便を送りましょう。証拠もなく不正を訴えると、逆に名誉毀損などで訴えられる可能性があるからです。
③日本語を理解できない相手には効果が生じにくい
内容証明郵便で送付する文書を作成するとき、使用できる文字は原則として仮名、漢字など日本語の文字だけです。宛て先を海外にすることはできますが、文書の内容は日本語ですから、英語など外国語しか理解できない相手には、差出人の意思が伝わらないことになります。